「オシャレは我満だ」と梅宮アンナが言っていたけれど、子供が産まれてからというもの、すっかり我満するほどのオシャレとは縁遠い。服はすぐに脱ぎ着できてざぶざぶ洗えるもの、カバンはポケットがたくさんついていてたくさん入るもの、靴はヒールがなく、スリッポンのようにすぐに履いて出かけられるものを基準に選んでいる。特に靴は着脱しやすいものであることは必須である。靴を履いてから、「オムツ忘れた!」とか、「帽子忘れた!」なんてしょっちゅうだからだ。独身時代の靴も、一応まだ取っておいてはあるけれど、当分日の目を見ないだろう。ピンヒールなんか今履いたらきっとバランス取れなくてすぐに転んでしまいそうな気がする。ブーツに至っては履くのが大変だから、時間がかかっているうちに子供が外に出てしまいそうな気がする。そもそも今の私の足が昔のブーツに入るのかどうかも定かではないけれど。

今は同じマザーバッグを毎日使っているのでそんなことはなくなったけれど、昔はその日のファッションによってカバンを替えていたから、昨日のバッグにカギを入れっぱなしだった、なんて日常茶飯事だった。靴を履いたあとにカギを持ち忘れたことに気づいた時の気持ち、わかる人ならわかってもらえるはずだ。しかもそんな日に限って靴紐の面倒なシューズだったり、閉じるのに根性がいるニーハイブーツだったりするのだ。思わず自分のうっかりを棚に上げて舌打ちが出てしまう。

これではいかんと思いつつ、どんどんファッションがオバサン化していくのが悲しい。だから時々は子どもを旦那に預けて、ピンヒールに挑戦してみようと思う。